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前夜の大雨も上がり、日中韓の子どもたちを歓迎(かんげい)するような夏の陽ざしがもどってきました。東京・代々木にある「国立オリンピック記念青少年総合センター」国際会議室は、主役の子どもたちを待つばかりです。
午後4時前、スタッフの大きな拍手(はくしゅ)に迎(むか)えられて最初に到着(とうちゃく)したのは、韓国の子どもたちと随行員(ずいこういん)。みんな、手に手に大きなトランクをさげて少し緊張(きんちょう)したようすです。受付で名札カードと参加のしおりを受け取ると、さっそく広くて明るい国際会議室の中に入って行きました。続いて姿をあらわしたのは日本の子どもたちです。全国各地から新幹線や飛行機を使い東京まで来ました。みんな希望に満ちたいい顔をしています。直接会場を目ざした関東近辺の子どもたちも元気に受け付けをする姿がみられました。そして最後に会場入りしたのは、中国からの子どもたちです。
いよいよ交流事業の開幕です。まず、全体オリエンテーションでは主催者(しゅさいしゃ)を代表して、「日中韓子ども童話交流事業実行委員会事務総長」であり「子どもの未来を考える議員連盟」会長の河村建夫(かわむら たけお)衆議院議員(前文部科学大臣)が、
「この事業は日中韓のみなさんが仲良くしてもらいたいとの思いで企画(きかく)しました。1週間のあいだにみんなが仲良くなって、それぞれ国に帰っても交流が続くよう願っています。」
と、あいさつをしました。
そのあとは、交流の実現のために力を尽くした河村議員をはじめ、交流事業の実行委員で「子どもの未来を考える議員連盟」幹事長の中曽根弘文(なかそね ひろふみ)参議院議員、「社団法人全国学校図書館協議会」理事長の石井宗雄(いしい むねお)さん、「独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター」理事長の高為重(たか ためしげ)さんが紹介されました。そして今回の主役である中国・韓国・日本の子どもたちと随行員、子どもと一緒にすごすグループリーダーや通訳のみなさんをはじめとしたスタッフの紹介がありました。
続いて、このイベントの校長先生をつとめる東山善迪(ひがしやま よしみち)さんが、日中韓に見立てた赤・黄・青の3本のひもがあっという間にひとつの輪になるマジックをして、「みなさんもこの輪のように協力しましょう」と語りかけました。次に絵本作りを指導する童話先生の大西伝一郎(おおにし でんいちろう)さんが「みんなで一生心に鳴り響(ひび)く金の鈴(すず)を作りましょう」と、笑顔で話しました。
ここで、河村議員と中曽根議員から参加者代表として日本の今井郁也 ( いまい ふみや 日本 ) さん、中国の田黙● ( ティェン モー ウェイ 中国 ) さん、韓国の金光錫 ( キム クァンソク 韓国 ) さんへ日中韓それぞれ3か国語でロゴの入ったTシャツ3枚と帽子(ぼうし)がプレゼントされました。実行委員の中曽根議員が、「みなさんは、今とても不安だと思います。でも、心配はいりません。きっと仲良くなれますよ。明日、同じ柄(がら)のTシャツをみんなで着ると、どの国の子どももいっしょです」と話しかけました。
●=さんずいに、「微」の行人偏を取ったもの
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