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「夏の富士は恥(は)ずかしがりや」という地元の人たちの言い伝えどおり、早朝はきれいに見えていた富士山も、日が高くなるにつれて大きな雲にその姿をすっかり隠(かく)していました。今日は今回の童話交流のテーマ「山」、つまり富士山について学びます。
少しだけ広い裾野(すその)をあらわした富士山をバックに集合写真を撮(と)ったあと、研修室に集合しました。まず、童話先生の大西伝一郎( おおにし でんいちろう )さんが「山の童話」として『おばすて山』の昔話をしてくれました。日本にあるおばすて山伝説の中でも、もっとも幸せな結末と言われる話です。
続いて富士吉田市(ふじよしだし)在住の動物写真家、中川雄三(なかがわ ゆうぞう)さんによる「富士山ガイダンス」が始まりました。
「ぼくは、動物と人間の通訳なんです」という中川さんは、自分で撮(と)った作品を見せながらお話をしてくれました。「毎年7~8月富士山の頂上を目指す人の数は20~30万人。」、「山中湖はクジラの形をしているんですよ。」というおもしろいお話に始まり、富士山周辺に住む生き物と自然について説明してくれました。リス・キツツキ・カワセミなどの愛らしさに、子どもたちからは「ワーッ!」という声が上がります。
「このような動物は富士山周辺にたくさんいます。」と、森に住む動物の生態を解説したうえで、
「人間以外でごみを出す動物はいません。動物がケガをしないようにごみを自然の中にすてるのはやめましょう。」「自然観察はきれいなところだけを見ていてもだめ、汚(よご)れているところを見つけたら、だれがやったのか、なぜこうなったのか考えてみてください」と、自然保護の大切さをうったえました。
最後に、中川さんと仲間たちが動物や自然を撮った写真集のプレゼントがあり、みなとてもうれしそうでした。
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